台湾の中秋節で必ず見かける「文旦」。今回は、文旦と柚子の違いや品種について詳しく解説します。

文旦とは…
文旦(ブンタン)は、日本語でいう「ポメロ」や「ザボン」のことです。グレープフルーツより一回り大きく、皮が厚い柑橘類で、果肉は甘酸っぱくてジューシー。台湾では中秋節に月餅と並ぶ定番のお供え物として親しまれています。

九州で晩白柚(ばんぺいゆ)という柑橘類があるのだけど(私は旅行で食べた)、それに味が似ていると思う!おいしくて大好きです!
文旦、柚子の違い
「柚子」はすべての文旦品種の総称で、文旦は柚子の一種。柑橘属には蜜柚、白柚、紅柚、グレープフルーツ、文旦などが含まれます。
- 文旦:小さくて尖っており、ひょうたんのような形
- 一般的な柚子:大きくて丸く、メロンのような形
以下写真は文旦


「麻豆文旦」は品種名
台湾で売られている文旦の箱にはよく「麻豆文旦」と書かれていますが、これは品種名。文旦は中国福建から台湾に導入され、後に台南麻豆で改良に成功したため、地名を取って「麻豆文旦」と命名されました。
現在、台湾で栽培される文旦の90%がこの「麻豆文旦」品種で、台湾全土で栽培されています。産地別に「鶴岡麻豆文旦」「斗六麻豆文旦」「八里麻豆文旦」などと呼ばれています。



日本でいうところの夕張メロンみたいな感じだね!
中秋節の文旦
1. 縁起の良い語呂合わせ
「柚子(ヨウズ)」の発音が「佑子(ヨウズ)= 子どもを守る・加護する」と同じ音であることから、家族の健康と幸福を祈る縁起物とされています。華人は月の神様が人々を守ってくれると信じており、中秋節に月餅と共に柚子を供えて、家族団欒と吉祥を祈願します。
2. 旬の時期が完璧に一致
中秋節(旧暦8月15日、9月中旬〜10月上旬)は、ちょうど文旦の最盛期です。甘くてジューシーな旬の果物として、自然と中秋節の定番になりました。10月下旬になると白柚に切り替わります。
大きな皮は香りも良く、防虫効果があるとされ、乾燥させて部屋に置くこともあるそうです。
買ったばかりの文旦は酸味が強い場合がありますが、室内に数日置くと甘味が増します。ただし、苦すぎるものは避け、食べ過ぎると肝臓に負担をかける可能性があるので適量を心がけましょう。



台湾って夏はフルーツ天国なんだけど、夏のピークが過ぎたこの時期って旬なフルーツが少なくて、文旦がめっちゃ前面に押し出されている!おいしいのだけど、剥くのがちょっと大変…
この季節に台湾を訪れた際は、ぜひ本場の文旦を味わってみてください。甘酸っぱくてとってもおいしいです!