2026年11月28日、台湾で4年に一度の地方選挙が実施。街中にあふれる巨大な選挙看板やユニークなキャッチコピーなど、日本とはひと味違う台湾の選挙文化をご紹介!
2026年台湾地方選挙とは?
台湾では2026年11月28日(土)、地方自治体の首長や議員などを選ぶ地方選挙が行われます。台湾では「九合一選舉(九合一選挙)」と呼ばれ、9種類の地方公職を同じ日に選出する大規模な選挙。台北市や新北市など6つの直轄市の市長をはじめ、各県市の首長、地方議員、村長・里長などを選出します。今回の選挙では台湾全土で約1,965万人が有権者となり、約11,000人の地方公職者が選ばれる予定。
選挙スケジュール
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 8月31日〜9月4日 | 候補者登録 |
| 10月27日 | 候補者番号の抽選 |
| 11月12日 | 直轄市長候補者の正式公告 |
| 11月13日〜27日 | 直轄市長の法定選挙運動期間 |
| 11月18日〜27日 | 地方議員・県市長などの法定選挙運動期間 |
| 11月28日(土) | 投票・開票 |
| 12月4日まで | 当選者の正式公告 |
投票時間は午前8時〜午後4時。
選挙に関する公式情報は、台湾の中央選挙委員会(中選會)のウェブサイトで確認できます。
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注目の市長候補者
今回、特に注目したいのが台北市長選挙。現職市長と挑戦者による選挙戦に加え、候補者ごとのPR戦略にも注目。

台湾の選挙はマーケティング活動がとても面白くて、選挙権のない私はそこに注目してみてます!
台北市長選
蔣萬安(ジャン・ワンアン)氏|中国国民党
現職の台北市長で今回2期目を目指す蔣萬安氏。米国で弁護士として活動した経歴を持ち、立法委員(日本の国会議員に相当)を経て、2022年に台北市長に就任。今回の選挙では市政の実績や継続性をアピール。街頭での支持呼びかけや市政実績を紹介する広報活動など、現職ならではのPRが特徴。
沈伯洋(シェン・ボーヤン)氏|民主進歩党
立法委員であり、法律や情報戦に関する研究・活動でも知られる沈伯洋氏。今回の選挙では「洋流」をキーワードに、独自のブランドイメージを展開。政策を分かりやすく伝える冊子や、応援店舗を地図上で紹介するウェブサイトなど、デザインやデジタルを活用した取り組みも特徴。なお、台北市長選には両氏以外にも候補者が立候補しています。
その他の主要都市
台北市以外でも、各地で注目の市長選挙が展開。
| 都市 | 主な候補者 |
|---|---|
| 新北市 | 蘇巧慧(民進党)、李四川(国民党) |
| 桃園市 | 黃世杰(民進党)、張善政(国民党) |
| 台中市 | 何欣純(民進党)、江啟臣(国民党) |
| 台南市 | 陳亭妃(民進党)、謝龍介(国民党) |
| 高雄市 | 賴瑞隆(民進党)、柯志恩(国民党) |
※主要政党の候補者を抜粋。無所属・その他政党の候補者も立候補。
台湾の選挙活動が面白い!
台湾の選挙シーズンに街を歩くと、普段とは違う光景があちこちに。
街中の巨大看板
台湾の選挙で特に目を引くのが、建物の壁面などに掲げられた巨大な選挙看板。候補者の顔写真、名前、番号、キャッチコピーなどが大きくデザインされ、まるで商品の広告看板のような存在感。選挙が近づくにつれ、街全体が選挙モードに変化していくのも台湾らしい光景。

選挙カーと街頭活動
台湾でも選挙カーによる呼びかけは一般的。候補者が車から手を振ったり、スタッフがマイクで支持を呼びかけたりする姿も。さらに、伝統市場や商店街での握手、街頭でのあいさつ、地域を歩いて支持を訴える「掃街拜票」も定番の選挙活動。
選挙グッズと応援イベント
旗やステッカー、うちわ、衣類など、候補者の名前やロゴを取り入れた選挙グッズも登場。選挙事務所の開設イベントや大規模な支持者集会では、音楽、掛け声、旗などを使った演出も。日本の選挙とはまた違った、にぎやかな雰囲気が特徴です。
台湾の選挙マーケティング
台湾の選挙で個人的に注目したいのが、候補者のマーケティング戦略。名前を使った語呂合わせや英語との組み合わせ、統一感のあるロゴやデザインなど、広告・ブランディングの視点でも興味深い取り組みが多数。
「洋流」というキャッチコピー
台北市長候補の沈伯洋氏が展開する「洋流」。中国語の「洋流」は、日本語でいう「海流」のこと。候補者の名前にある「洋」を取り入れながら、大航海さながら大海原に飛び出し、街の隅々まで流れを広げていくイメージを表現した言葉。さらに政策を紹介する冊子「洋流誌」も制作。交通、子育て、都市づくり、経済などの政策をクリエイターによる文章やイラストを通して分かりやすく伝える工夫。政治の政策資料を手に取りたくなる読み物へと変える発想が印象的。

下はウェブサイトより。登船口と書いてある通り、すべておいて海・船のイメージで統一されている!面白い!

「順soon」などの言葉遊び
台湾の選挙では中国語と英語を組み合わせたキャッチコピーにも注目。例えば「順soon」という表現。中国語の「順」は、物事が順調に進む、スムーズになるといった意味。英語の「soon」は「もうすぐ」という意味で、台湾華語の「順」と発音が近いことを利用した言葉遊びになっている。一度見たら覚えやすく、SNSでも使いやすい短いフレーズ。中国語の意味と発音を掛け合わせるところに、台湾らしいコピーライティングの面白さ。

応援店舗を地図で紹介!
沈伯洋氏の選挙関連サイトで、もう一つ興味深いのが「洋游好店」。候補者を応援するお店を地図上で紹介するウェブサービス。台北市、新北市、基隆市などの店舗を掲載し、飲食店、カフェ、雑貨店、書店など、ジャンル別に検索できる仕組み。
2026年11月4日に確認した画面では277店舗を掲載(日に日に増えている)。さらに地域別の絞り込みや現在地周辺の店舗検索にも対応。候補者を応援する店舗の存在を可視化するだけでなく、利用者が新しいお店を発見できるという仕掛けです。政治と地域の店舗をつなぐ、ユニークなデジタルマーケティングの事例。


しかもこの地図、間違いなくAIで作っている!!
ロゴ・カラー・グッズ
候補者ごとに統一されたロゴやテーマカラーも、選挙マーケティングの特徴。看板、SNS、配布物、ウェブサイトなどに共通のデザインを取り入れることで、候補者のイメージを印象づける工夫。まるで企業のブランド戦略のような選挙PR。

知り合いから以下写真のオレンジのシュシュをいただきました。時期的にハロウィンだったから、ハロウィングッズをくれたんだ!と思ったらまさかの選挙応援アイテムだったーーー爆笑(笑)


日本と台湾の選挙、何が違う?
日本と台湾の選挙には共通点もありますが、街中でのPRや応援スタイルには違いも。
| 比較 | 台湾 | 日本 |
|---|---|---|
| 選挙看板 | 建物の壁面などに大型看板も | 選挙運動用ポスターは指定掲示場が中心 |
| 選挙カー | 候補者やスタッフによる呼びかけ | 名前の連呼や街頭での呼びかけ |
| 街頭活動 | 市場や商店街での握手・あいさつ | 駅前演説や街頭での呼びかけ |
| 応援イベント | 大規模集会や演出のあるイベントも | 個人演説会や街頭演説会など |
| SNS | 動画・画像・言葉遊びを活用 | 動画やSNSを活用する候補者も増加 |
| 投票・開票 | 原則として投票所で公開開票 | 投票終了後、開票所で集計 |
※両国とも選挙活動には法律上の規制があり、看板の設置場所や宣伝方法がすべて自由というわけではありません。
選挙看板の違い
日本では、公営のポスター掲示場に候補者のポスターが並ぶ光景がおなじみ。一方、台湾では民間の建物の壁面などにも大きな選挙広告が登場。ただし、台湾でも道路や公園などの公共施設への設置は原則として制限されており、場所によってルールがあります。
選挙活動のルール
日本の選挙運動は原則として立候補の届け出後から投票日前日まで。台湾でも法定の選挙運動期間が定められており、2026年の直轄市長選挙では11月13日〜27日の15日間。ただし、台湾では正式な選挙運動期間に入る前から、政治活動や候補者の宣伝が街中で見られることも。

だから台湾の選挙の方が活動期間長くやっているイメージがあるのか。
応援スタイルの違い
台湾では候補者の名前入りの旗を掲げたり、大規模な集会で声援を送ったりする姿が印象的。日本でも候補者の応援集会はありますが、台湾ほど音楽を使ったりってことはないですよね。
投票方法と開票
台湾では投票用紙の候補者欄に専用のスタンプで印を付ける方式。日本では、候補者名を投票用紙に記入する方式が一般的。また、台湾の開票では、票を一枚ずつ示しながら読み上げる「唱票」という方法が特徴的。投票方法にもそれぞれの選挙文化の違いが表れています。
まとめ
2026年11月28日に行われる台湾の地方選挙。街中の巨大看板、にぎやかな応援集会、名前を使ったキャッチコピー、応援店舗マップなど、選挙マーケティングの面白さも見どころ。台湾在住の日本人にとっても、選挙期間中の街の変化は、台湾の文化や社会を知るきっかけになりそうです。候補者のPRを比較しながら、普段とは違う台湾の街の様子に注目してみてはいかがでしょうか。
参考サイト:
中央選挙委員会|2026年地方選挙特設サイト
中央選挙委員会|選挙スケジュール
公視新聞|沈伯洋氏の「洋流誌」
中央社|各都市の市長候補者一覧
