台湾土産の定番「パイナップルケーキ」魅力と歴史、なぜお土産になったの?

台湾旅行のお土産といえば、多くの人がパイナップルケーキを思い浮かべるのではないでしょうか。中国語で「鳳梨酥(フォンリースー)」と呼ばれるこのお菓子は、台湾全土の空港免税店、土産物店、専門店、洋菓子店、スーパーなどあらゆる場所で見かけることができます。では、なぜパイナップルケーキがこれほどまでに台湾で広く親しまれているのでしょうか。

パイナップル栽培と台湾の関係

その理由の一つはパイナップルが台湾で最もポピュラーな果物であることです。果物であれば他にもバナナ、マンゴー、ライチが有名ですがパイナップルは1920年代から台湾全土で盛んに栽培され、生産量も他の果物を圧倒しています。
台湾南部、特に高雄市や屏東県、台南市などはパイナップル栽培の中心地となっています。温暖な気候と適度な降水量を持つ台湾の自然環境は、パイナップル栽培に理想的な条件です。最近は技術の発達もあり一年を通してパイナップルが収穫されますが、特に夏場(5月から8月)が最盛期とされています。
台湾で栽培されているパイナップルの品種はいくつかありますが、特に有名なのが「金鑽鳳梨」という品種で甘みと酸味のバランスが絶妙です。

パイナップルケーキの起源と発展

パイナップルケーキの起源ははっきりしていませんが、1920年代から1930年代にかけて、ハワイでパイナップル栽培に従事していた日本人が台湾に渡り、パイナップルを使った焼菓子のノウハウを伝えたという説があります。台湾のパイナップルケーキと、ハワイの日系移民が作った「ハワイアン・ショートブレッド・パイナップル」には多くの類似点が見られることがこの説を裏付けています。

日本の統治時代(1895年-1945年)に台湾の製菓技術は日本の影響を大きく受けました。日本人パティシエによって西洋の製菓技術が台湾に導入され、それが地元の食材や味覚と融合したことで、独自の菓子文化が生まれました。パイナップルケーキもその一つと考えられています。

当初のパイナップルケーキは家庭で作られる素朴なお菓子で、バターをふんだんに使った生地にパイナップルのジャムを包み込んで焼き上げる、というシンプルなものでした。しかし時代とともにプロの菓子職人たちによって洗練され、今日の形になったと言われています。

文化的意義と縁起物

パイナップルケーキが贈答用のお菓子として広く作られるようになったのは1980年代頃からです。その背景には台湾語のパイナップル「鳳梨(オンライ)」という音が、繁盛を意味する「旺来(オンライ)」と似ていることから縁起物として重宝されてきました。このような言葉の語呂合わせによる縁起物は中華圏の文化において珍しくありません。「梨」という文字も「利益」の「利」を連想させるため、ビジネスの成功や繁栄を願う気持ちが込められています。

そのためパイナップルケーキはお供え物や、端午節・中元節・春節などの贈答用、接客用のお茶菓子として広く使われるようになりました。結婚式の引き出物や新居祝いのギフトとしても人気があります。台湾の人々にとってパイナップルケーキは単なるお菓子ではなく、幸運と繁栄の象徴なのです。

有名パイナップルケーキ店の紹介

台湾には数多くのパイナップルケーキ専門店があり、それぞれが独自の味や特徴を追求しています。ここでは、特に人気の高い店舗をいくつか紹介します。

微熱山丘(サニーヒルズ)

台北市内に複数の店舗を持つ微熱山丘は、パイナップルケーキの高級ブランドとして知られています。南投県の契約農家から直接仕入れた新鮮なパイナップルだけを使用し、保存料や添加物を一切使わないことをポリシーとしています。

特徴はサクサクとした軽い食感の生地とジューシーでフルーティーな餡。パッケージも高級感あふれるデザインで贈答用として非常に人気があります。台湾の店舗では無料でお茶とパイナップルケーキの試食を楽しむことができます。日本にも店舗がありますが、日本とは使っているパイナップルが異なるという噂です。

維格餅家

台湾全土に多くの店舗を展開する維格餅家は1989年の創業以来、伝統的な台湾菓子の製造に力を入れてきました。パイナップルケーキだけでなく、月餅や各種中華菓子も取り扱っています。

維格餅家のパイナップルケーキは、バターの風味が豊かな生地と程よい甘さの餡が特徴。またオリジナルのパイナップルケーキのほかに抹茶やクランベリーなど様々なフレーバーがあったりと種類が豊富です。

佳徳糕餅

地元の人々に絶大な支持を受ける佳徳糕餅は台北市松山区に本店を構える老舗店です。シンプルな外観の店舗ですが、常に行列ができるほどの人気を誇っています。

佳徳のパイナップルケーキはサクサクとした生地とジューシーな餡のバランスが絶妙。特に冬瓜を混ぜないピュアなパイナップル餡を使用しておりフルーティーな風味が特徴。地元の人々の日常的な贈答品として利用されることが多く、比較的リーズナブルな価格設定も魅力です。スーパーやコンビニでの販売もありますが、みな出来立てを食べたく本店に並びます。

他にもパイナップルケーキ有名店はたくさんあるので各店試して、お気に入りを探してみてください。

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パイナップルケーキの種類と選び方

購入時に知っておいてもらいたいことがあるのですがパイナップルケーキには大きく分けて2種類あります。餡にパイナップルだけを使用した「土鳳梨酥」と、パイナップルに冬瓜などを混ぜた「鳳梨酥」です。

「土鳳梨酥」は100%パイナップルの餡使用のためフルーティーな酸味と自然な甘みが特徴でパイナップル本来の風味を楽しみたい方におすすめ。一般的に価格は高め。

一方「鳳梨酥」はパイナップルに冬瓜(トウガン)を混ぜた餡を使用。冬瓜自体はほとんど味がないため、パイナップルの風味を損なうことなく、餡により滑らかな食感と適度な甘さを与えています。また冬瓜を混ぜることで製造コストを抑えられるため、比較的リーズナブルな価格帯で提供されることが多いです。

どちらを選ぶかは個人の好みによります。初めて購入する場合は、両方を少量ずつ買って食べ比べてみるのも良いですね。
賞味期限にも注意が必要。一般的にパイナップルケーキの賞味期限は製造日から1〜3ヶ月程度です。添加物を使わない高級ブランドほど賞味期限が短い傾向がありますので、お土産として購入する場合は帰国日に近い日に買うことをおすすめします。またパイナップルケーキは意外と重量があります。大量購入するとあっという間にトランクの重量オーバーになりますのでご注意ください。

パイナップルケーキを楽しむ方法

パイナップルケーキはそのままでも十分に美味しいお菓子ですが、台湾の人々は様々な楽しみ方をしています。最も一般的なのは台湾茶と一緒に楽しむ方法です。特に烏龍茶や鉄観音といった台湾を代表するお茶とパイナップルケーキの組み合わせはお互いの風味を引き立てる絶妙なペアリングとされています。お茶の香りとパイナップルケーキのバターの風味、果実の甘酸っぱさが見事に調和します。

また近年ではクリームチーズを添えたり、アイスクリームと一緒に食べるなど、西洋風のアレンジも人気。パイナップルケーキを小さく砕いてヨーグルトにトッピングするという楽しみ方もあります。

パイナップルケーキの現代的進化

伝統的なパイナップルケーキの人気は衰えることなく続いていますが、近年では新しい試みも多く見られるようになりました。例えばオーガニック素材だけを使用したパイナップルケーキや、グルテンフリーの生地を使ったヘルシーバージョンなど健康志向の製品が増えています。またパイナップルに他のフルーツを組み合わせた新しいフレーバーの開発も盛んです。マンゴーやライチ、パッションフルーツなど台湾の豊かな果実を活かした創作パイナップルケーキも登場しています。
形状も従来の四角や長方形だけでなく、可愛らしい動物や花の形をしたものや、モダンなデザインを取り入れたものまで様々。特に若い世代や観光客をターゲットにした斬新なデザインのパイナップルケーキはSNS映えするお土産として人気です。

台湾パイナップルケーキの魅力

長年、台湾のお土産として愛されてきたパイナップルケーキは、これからも時代とともに進化を続けていくことでしょう。台湾を訪れた際には、様々な店の味を比べてみるのも楽しいかもしれません。

パイナップルケーキには台湾の温暖な気候がもたらす豊かな農産物、多文化的な歴史の中で育まれた独自の製菓技術、そして「旺来(オンライ)」という言葉に象徴される台湾の人々の前向きな価値観が詰まっています。小さなお菓子の中に台湾という国の魅力の一端が凝縮され、日常生活にも深く根付いている文化の一つなのです。ぜひ様々なパイナップルケーキを味わい、台湾の魅力を堪能してみてください。

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