2023年10月、観光関係の方のご招待で台湾の金門島に行ってきました!
以下のYouTubeに出てきたお店の詳しい場所を紹介していますので、動画と一緒にご覧ください。
金門島基礎知識
金門島、聞いたことある方も多いかと思いますが、場所分かりますか?こちらです↓
台北からは飛行機で約1時間(台湾本島との距離は約200キロ)、中国大陸の目と鼻の先。真隣です!最近は台湾有事と騒がれていますが、そんな防衛最前線の場所でもあります。というと、なんだか怖そうなイメージをもたれるかもしれませんが、全くそんなことはありませんのでご安心を。文化、歴史的背景から台湾本島とは食べ物なども少し違ってとても興味深い島です。
行き方
台北から金門島はユニー航空とマンダリン航空の2社から飛行機が出ています。片道約1時間です。
基本的にけっこう混み合うので1か月以上前には予約した方が良いです。特に土日は激混みだそうで、キャンセル待ちにでさえ何十人と並びます。
島内移動
島内はバスが通っていますが、そんなに本数が多いわけではないので色々まわる予定ならバイクレンタルがおすすめです。最近は電動バイクも普及し、島内のいたるところに充電スポットがあります。
私たちは金門冠城租車というお店で電動バイクを借りました。バイクは一日約450~500元。もちろん車のレンタルもあります。(写真は閉店後です)
もしかしたら、民宿やホテルによって特別価格を出してくれるお店もあるかもしれないので聞いてみてください。
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大金門島と小金門島
金門島は大きく2つの島があります。骨の形をした大金門島と呼ばれる金門島と、小金門島と呼ばれる烈嶼(れっしょ)です。2022年に大金門島と小金門島を結ぶ金門大橋が開通し行き来しやすくなりました。
金門島と中国大陸
話しには聞いていましたが、思っていた以上に金門島と中国大陸は近かったです。小金門島の西側からだと、中国大陸までの距離は約5キロしかありません。ちなみに瀬戸大橋は約12キロですので、どれだけ近いかお分かりいただけますでしょうか?
軍事関係
金門島は防衛最前線という立地もあり、軍事施設がたくさんあります。また台湾では徴兵制度があり、台湾男子はいくつかの場所に散らばるわけですが金門島にて奉仕される方も多くいらっしゃいます。
下の写真は小金門島の雙口海邊です。後ろの高層ビル群は中国大陸のアモイ(廈門)です。沿岸はこのように威嚇しているような大きな岩が置いてあります。これは中国からの大型船の着岸を防ぐためのものだそうです。でもはっきり言って、小型船でも余裕で来れそうなので気休め程度な気がします。
また金門島をまわっているとお気づきになるかと思いますが、交差点は大体ラウンドアバウトになっています。これは中国からのヘリコプターの着陸を防ぐためのものだそうです。
諸注意
①グーグルマップを当てにしてはいけない
現地の方がおっしゃっていましたが、グーグルマップが正確ではありません。けっこうずれています。運転の時は気を付けてください。
➁営業時間を当てにしてはいけない
島という特性上、臨時休業が多いそうです。またオーナーさんが台北などに行っている関係でお休みにしている場合も多くあり、その場合1、2日のお休みではなくて、1週間とか休むそうです。行きたいお店は一店舗集中ではなく、複数候補を用意しておいた方が無難です。
民宿
今回「山春花繪本古厝民宿」をご用意いただきました。台湾の伝統的なお家を民宿にリノベしています。中はタイニーハウスな造りですが、快適に過ごすことができます。テレビドラマのセットの中にいるみたいな気分になれます。
冷蔵庫や電子レンジなどは共有スペースにありました。お茶やお水は自由にいただけます。
金門島はホテルなども充実していますが、せっかく来たなら台湾伝統文化を体験できる民宿はいかがでしょうか。
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金門島観光
金門島の麺線
まず到着した夜に食べた麺線で驚き。台北と麺が違う気がする。そして麺の中にタロイモが入っていました。これも他では見たことありません。
芸耕LIVE HOUSE
驚くべきことに金門島には金門大学という大学もあるそうです。学生がいるということは夜まで空いているバーなども充実しています。こちらは休日にはジャズバンドの生演奏まであるそうです。
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金一焼餅
地元の有名な朝ごはん屋さんです。営業開始の6時に行きましたがすでに行列でした。燒餅は甜(甘い)、鹹(しょっぱい)の2種類あります。30分並んで購入することができました。並ぶだけあってとてもおいしかったです。
油條(揚げパン)屋さんも真隣にあり食べましたがこちらも揚げたて熱々でおいしかったです。台北では油條だけを販売している店ってほとんど見たことないのですが、金門島にはけっこうありました。
ちなみに右下の写真、店頭に置いてある油條はすべて民宿やホテルに納品する分らしいです。
YouTubeで味について詳しくコメントしているの、合わせて見てね♪
立地の影響もあり広州のおかゆも名物らしいので購入してみました。米粒があるのかないのかぐらいにトロトロになっておりました。
その後も朝市などを覗いてみましたが海鮮を中心にいろいろあって面白かったです。カキも名産とのこと。ただ金門島で獲れるカキの品種はとても小さいものとのことでした。
湶民水果創作料理
なんとも珍しい、フルーツの定食をいただけるレストランです。フルーツ天国の台湾ならではですね!完全予約制らしいです。
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沙美摩洛哥
台湾版モロッコと呼ばれる、沙美老街へ。以前はとても賑やかな場所だったそうですが、現在は朽ちた建物がインスタ映えすると人気になりました。モロッコ…?!見えるような見えないような。笑
何に使うのか分かりませんが、おみこしのようなものが道に出ていました。お祭りがあるのかな?
附近にある小摩洛哥米香蚵嗲で蚵爹(オデ)を食べましたが、これは日本でいうところのかき揚げですね!
陽翟老街
かつて兵士たちが駐屯した娯楽の場で、映画館、ビリヤード場、銭湯、理髪店などがあったそうです。また2014年に公開された大ヒット映画「軍中楽園」のロケ地にもなりました。緑の床屋、ピンクの美容室の前で写真を撮るのが定番。
かわいい雑貨屋さんなどもあって観光地として頑張っている感がありました!(←なに様?!)
南石滬公園
かつて花崗岩の採掘場でした。その当時の花崗岩は今でも中正紀念堂や桃園空港に使われているそうです。ここには自分の声の圧で噴水が吹き出すというミニアトラクションがありましたのでその場にいた人でやってみたら、めっちゃ盛り上がりました。しかし、正直それ以外はあまり見るものがないです(笑)
朝散歩
朝、民宿の周りを散歩していたら、隣に住むおじさんが観光客丸出しの私たちに気づき、うちに砲弾あるから見せてあげようか、と言われ、本当に家から砲弾が出てきました!びっくりだ!昔はもっとあったそうですが、ほとんど売ってしまったとのことでした。
金門島は1958年に対岸の中国共産党との激しい砲撃戦、金門砲戦が起きました。その際、金門島には約470,000発の砲弾が飛んできて甚大な被害がでました。この方のお家にも何十発と飛んできたそうです。
マジョリカタイル
金門島は昔ながらの伝統的な残したままの地域がとても多く、美しいマジョリカタイルをいたるところでみることができます。台北だったら博物館行きになりそうなほど精巧で美しいマジョリカタイルは見ものです!家をジロジロ見ちゃいました。
瓊林民防館
戦争時の軍事品などが展示されています。さらに地下には1355メートルの地下道があり、実際に歩けます。これは防空壕としても、また敵が侵入してきたときに惑わすためなどの目的で作られたそうです。
風獅爺
上記の地下道を歩くと「瓊林風獅爺」の場所に出ます!下の写真の風獅爺がいました。風獅爺はシーサーのことです!ここから沖縄のシーサーに結び付くわけです。
悪霊退散などの信仰目的もありますが、台風が多い金門島ですので物理的に風よけとしての役目もあったそうです。
いろんな風獅爺を見ることができます。金門島では風獅爺を探す無料アプリ「金沙巡禮之尋找金門風獅爺」もありますよ!
瓊林
上記の風獅爺付近を探検しましたが、昔からある集落とのことで、様々なものを発見することができました。
一番右下の写真はお墓にカモフラージュしていますが実際は地下道でつながっていて、中から不意打ちで敵に向けて銃撃できるようにしているそうです。
左下の写真は観光客に見せている伝統的なお家ですが、「先祖、父、兄妹、叔父みんな試験に合格しています」という掲示がありました。我が家はみんな頭いいですという自慢と誇りのために掲示しているそうです。
特約茶室展示館
かつて金門島には約10万人の兵士がいたそうですがその人たちへの娯楽施設、今風でいうところのラブホです。当時は映画を見るのと同じ値段で利用できたというから驚きです。
左下の写真はたぶん最近AIで作ったものかな?(笑)
こちらで高粱酒(ガオリャン)を使った茶葉卵食べました。というけど高粱酒の味は全然しませんでした。
名前に茶室とありますが、全くお茶関係ないです。
良金牧場
金門島の名産品と言えば、高粱酒です。その残りカスを栄養にして牛を育てているそうです。こちらでは金門島で唯一、牧場からレストランまでを一貫して行っているお店とのこと。
新鮮ゆえに、生の牛肉に熱々スープをかけて食べます(YouTube動画をご覧ください)。インスタで映えるとして有名になりました。ビーフジャーキーなどのお土産もとても人気です。
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翟山坑道
金門島を代表する坑道で軍事施設です。同行していらっしゃったおじ様も40年前に兵役訓練でここにいたんだよとおっしゃっていました。ここでは海中訓練、潜水艦訓練などが行われていたそうです。
芸術品のような神秘的な魅力を合わせもつ一方で、端には戦争の一端を残しています。また秋にはこの反響を利用した金門坑道音楽祭も行われているそうです。
雙口海邊
金門大橋を渡り、小金門島に戻ってきました!
烈嶼の雙口海邊(海岸)で夕日を見ましたがとても美しかったです!
また夜にはここでダンサーの方がアモイの夜景をバッグにダンスを披露してくださいました。
ダンサー「日日製作舞團」のInstagramはこちら
金門高粱酒
お酒好きなら方なら聞いたことあるかと思いますが、金門島といえば高粱酒が有名です。私は残念ながらお酒が飲めないのですが、ケース購入して持ち帰る人もいるほど人気です。
そして一番右下の写真が高粱の原料です。モロコシとも呼ばれる雑穀だそうです。
得月樓
こちらは裕福だった東南アジアの方のお家が観光客に開放されています。
沙溪堡
小金門島の西側に行く途中に見つけた芋頭手巻。海苔まきの中に細切りにしたタロイモ揚げ、そして上には台湾の甘いマヨネーズをかかっているおやつです。ここでは芋頭(タロイモ)がたくさん獲れるので、タロイモ系の食べ物が多いですね。
最西端の沙溪堡。ここからだと中国大陸がさらに近くはっきり見えます。ここにも軍事施設の地下道があります。
湖井頭戰史館
時間の関係で中には入れませんでしたが、博物館になっているそうです。レプリカの戦車なども置いてあり臨場感ありますね。
また金門島では徴兵制度によって金門島で訓練した方に敬意を称すイベントもたくさんやっています。ここで軍服に身を包んだ女性たちが吉本新喜劇みたいな劇をやって皆笑っていました。
太武山登山
山登りというか、岩登りをしました。行きは蔡厝古道口から登りました。45分程と時間は短いですが、けっこう急で大変でした。でも上で台湾おにぎり食べたりしてとても気持ちよかったです。毋忘在莒を通り、帰りは反対側、幾分楽な玉章路登山歩道に降りていきました。
私たちは朝早起きして6~9時ぐらいで過ごしましたが、帰るときに登っていく人がいっぱいいました。
漂浮斑馬線
金門島のインスタスポット。錯覚で浮いているように見えます。またこの脇にある太湖はカワウソが生息しているそうです。
金城
金城地域が現在一番栄えているエリアです。バスターミナルなどもあります。とはいえ、どこもかしこもまるで昭和時代のようなレトロさで歩いているだけで楽しいです。
左下の写真は金門島を代表するバーのVent Barの目の前です。夜の雰囲気も素敵でした。
コーヒーブレイクしたくて貝果烘焙(利雷咖啡)というこじんまりしたカフェで休憩しました。
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カブトガニ
今回特別に金門縣水產試驗所に入らせていただきました。普段は入ることができません。実は金門島付近はカブトガニの生息地となっており、保護活動も盛んです。カブトガニの血は製薬に使われており、近年はコロナウィルスの治療にも一役買ったことでとても注目されています。と同時に乱獲も起こり、個体数が減っていることも世界的に懸念されています。
左下の写真は水産試験所の水槽にいたカブトガニたちです。メスの後ろには必ずオスがいて、2匹で1組になっています。そんな風貌から絆や愛の象徴でもあるそうです。
生態を守るため場所は明かせませんが、実際にカブトガニが生息する海岸に見に行ってみると赤ちゃんカブトガニを見つけることができました。右下の写真ですが分かりますかね?
金合利鋼刀
金門島には戦争の際にたくさんの砲弾が降りそそぎ、その使い道として、砲弾を再利用した刃物類が名産です。こちらでは観光客向けに実際に製造しているところを見ることができます。私の夫もナイフを2刀購入し、しか名入れもしてもらいました。
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まとめ
観光関係者の方のご協力で本当に素晴らしい場所にたくさんご案内いただきました。何もかもが興味深かったけど、街歩きが一番楽しかったです。金門島の人にとっては何てことない普通の家だと思うのですが、それでさえも見入ってしまいました。文化、歴史、食…どれをとっても興味深く、とても勉強になりました。同じ台湾だけどまだまだ知らないことだらけですね!
金門島、名前は聞いたことあるけど何があるか分からないという方多いと思います。ぜひこれを機に知っていただき、ぜひ訪れていただきたいです。