台湾で暮らしていると、「文化幣」や「運動幣」など、政府によるユニークなポイント制度(コイン)を目にする機会も多いが、今回新たに登場予定なのが「健康幣(健康コイン)」。
健康診断を受けたり、ワクチンを接種したりするとポイントが貯まり、そのポイントをコンビニの商品などに交換できるという新しい制度。ちょっと面白い台湾の新政策、現時点でわかっていることをシェアします!
健康幣とは
「健康幣」は台湾の衛生福利部が進めている健康促進のためのポイント制度。「幣」と付いているものの、現金や仮想通貨ではなく、イメージとしてはお店のポイントやクレジットカードのマイルに近いもの。対象として予定されているのは18歳以上の成人。最大の目的は、病気になってから治療するのではなく、病気になる前から健康管理をする「予防」への転換。
台湾はすでに65歳以上の人口が20%を超える「超高齢社会」。今後さらに増える医療・介護負担を減らすためにも、健康診断や予防接種を積極的に受けてもらいたいという政府の狙い。
ポイントの対象
第一段階で予定されているのは、主に以下の4種類。
- 成人健康診断
- 公費のがん検診
- ワクチン接種
- 生活習慣のオンラインチェック
がん検診は乳がん、子宮頸がん、大腸がん、口腔がん、肺がん、胃がんなどが対象予定。
ワクチンはインフルエンザ、新型コロナ、成人用肺炎球菌ワクチンなどが候補となっており、公費だけでなく自費接種も対象とする方向。さらに、睡眠や運動などについてオンラインで自己チェックする「生活型態評估量表」への回答でもポイントがもらえる予定。
ポイント数
気になるのが「一体どのくらいもらえるの?」というところ。
これまで台湾政府から例として挙げられているのが、
ワクチン1回 → 100ポイント
大腸がん検診 → 200ポイント
というもの。ただし、これはあくまで検討段階の例。
コンビニでの交換
そして台湾らしくて面白いのが、貯めたポイントの使い道。
第一段階では、コンビニで健康的な食品と交換できる仕組みが検討中。
候補となっているのは、
- ミネラルウォーター
- 無糖のお茶
- 茶葉蛋
- 鶏むね肉
など。

健康診断を受けてポイントをもらい、そのポイントでコンビニの茶葉蛋をGET。めちゃくちゃ台湾らしい!笑
将来的には、運動施設の利用券、健康診断、交通チケット、スポーツやイベントのチケット、電子マネーのポイント、さらには保険料の割引などへの拡大も検討予定とのこと。ただし、これらはまだ長期的な構想であり正式決定ではない。
アプリ管理
健康幣を貯めるために重要になりそうなのが、スマホアプリ「全民健保行動快易通/健康存摺」。いわば健康保険カードのアプリ版なわけだが、病院の受診歴や検査結果、薬の情報など、自分の医療情報をまとめて確認できる機能がある。病院などから登録された健康診断やワクチン接種の記録をもとに、自動的にポイントにつなげる仕組みが想定されている。
また現在 HealthGOというアプリも開発中であることが確認できるので、もしかしたらこちらで管理されるのかもしれない。詳細は分からず。
Apple Watchとの連携
さらに面白いのが今後の構想。将来的にはApple Watchなどの端末と連携し、歩数や運動量でもポイントが貯まる仕組みが検討中!「今日はあと1,000歩歩けばポイントがもらえるから、ちょっと歩こう」そんな行動を増やすための、いわば健康のゲーム化。
健康管理は「今やっても効果が見えにくい」という問題があるため、ポイントというすぐに実感できるご褒美を用意することで、行動を変えてもらおうという発想。

私はGarminのスマートウォッチを使って毎日の健康状態を管理しているのでぜひこちらとも連携できるようにしてほしい!
シンガポール
実はこの健康幣、台湾だけの完全オリジナルというわけではなく、台湾の衛生福利部長が参考にしたと説明しているのがシンガポール。シンガポールでは、スマートウォッチなどとアプリを連携させ、歩数などの健康行動をポイント化する仕組みがすでに導入されている。
台湾の衛生福利部長・石崇良氏は、シンガポールでは信号待ちの時間にもその場で歩いて歩数を稼ぐ人がいることを例に挙げていた。
日本との違い
日本にも「健康ポイント」と呼ばれる似た取り組みが存在はしている。歩数、健康診断、健康イベントへの参加などでポイントを貯め、商品券や地域ポイントなどに交換できる制度。ただし、日本では自治体ごとに実施されているケースが多く、台湾のように政府が大規模な仕組みとして進めている点が大きな違い。

台湾にはすでにアプリがあるけど、日本はやっとマイナンバーカードだから簡単にできないと思う。。。
外国人への適用
台湾在住の日本人として一番気になるのが「外国人も健康幣をもらえるの?」というところ。
現時点で公表されている情報では外国籍の台湾在住者について、詳細は発表されていない。個人的には、台湾の健康保険に加入していて健康存摺を利用している外国人なら利用できるとは思う。
開始時期
健康幣は当初2026年4月のスタートが予定されていたが、その後延期。現在は早ければ2026年9月の開始を目指して準備が進められているが、まだ確定ではない。健康幣は本人のみ利用可能となる予定で、他人への譲渡や現金化は不可。参加費は無料。
台湾の予防医療
病院に行く、健康診断を受ける、ワクチンを打つ。これまでなら「健康のためにやるもの」だった行動に、ポイントという小さなご褒美をプラスする台湾の新しい政策。台湾人はポケモンGOとか大好きだからうまくはまればみんなやりそう~!私も始まったら試してみます!
※本記事は2026年8月時点で公表されている情報をもとに作成しています。健康幣の開始時期、対象者、ポイント数、交換商品などは変更される可能性があります。
参考: 商業周刊「2026健康幣懶人包」 / 台湾・衛生福利部
