以下は特に確証がある事実ではありませんのでその点ご留意の上、お読みください。
日本のiPhoneユーザーが「Suica」をかざして改札を通り始めてから約10年。2026年7月1日の今日、台北MRTでもようやくクレジットカードのタッチ決済およびApple Payの「エクスプレスモード(快速交通模式)」が全面解禁。しかし、なぜ台湾における交通インフラのスマホ対応はここまで時間を要したのか?そこには日本独自の奇跡的なインフラ環境と、台湾が選ばざるを得なかった妥協策があった模様。
日本:独自の「爆速インフラ」
日本のSuicaを支えているのは、ソニーが開発した通信規格「FeliCa(フェリカ)」。朝の首都圏の殺人的な満員電車をスムーズに捌くため、「0.1秒以内」に処理を完了させるという世界最高峰の超高速スペック。当時のAppleは日本市場をどうしても獲得したいという強い思惑から、日本専用のiPhone(iPhone 7)にわざわざFeliCa専用のチップを物理的に搭載させるという異例の対応。さらに世界最大の乗降客数を誇る「JR東日本」という巨大組織がトップダウンでAppleと交渉を進めた結果、2016年という非常に早い段階でのiPhone「かざすだけ乗車」が実現した。JRは商業施設などもあるので、台北MRTとは比べものにならないほどの利益が見込める。

日本にいるときは気づかなかったけど、台湾に住んでみて日本の0.1秒のピッがいかにすごいかがわかる。改札で一歩も止まらないもんね。
台湾:泥沼化した悠遊カード
一方、台湾の悠遊カード(EasyCard)が採用しているのは、世界で最も普及している「Mifare(マイフェア)」という通信規格。FeliCaに比べると処理速度が約0.5秒前後とやや遅く、Apple側からすれば「台湾のためだけに特別なシステム改修はしない。Apple Walletのルールに従いなさい」という強気なスタンス。Appleらしいね。
さらに台北MRT、高雄MRT、バス会社、電子決済会社と交通インフラの主導権が細かく分かれていた台湾。公共交通機関としての役割が強く利益率が低いため、Apple側が要求する高額な決済手数料を飲むだけの体力がなく、悠遊カードそのものをiPhoneに組み込む交渉は10年近くにわたり平行線を辿ったという背景。
日本:Suicaがすごすぎてクレカ決済が遅れた
日本は「Suica」という自国のICカードシステムが完璧に普及しすぎた結果、世界標準である「クレジットカードのタッチ決済(NFC Type-A/B)」を改札に導入することを長く拒絶。外国人観光客がスマホに登録した海外のクレカをかざしても一切通れないという、ガラパゴス化の弊害(笑)それがインバウンドの大激増や世界的なキャッシュレス化の波に押され、関東の主要私鉄や地下鉄(東京メトロなど)がようやく一斉にクレカタッチを大規模解禁したのは、2026年3月と最近のこと。
台湾:2026年7月、妥協策で解決
悠遊カード会社とAppleの交渉がまとまらない中、台北MRTが下した決断。それは「悠遊カードのスマホ化を待つのではなく、改札機自体を世界標準のクレカ対応にしてしまおう」という大胆な方針転換。
2026年7月1日、台北MRTの全改札で国内外の主要クレジットカード(Visa、Mastercard、JCB等)およびApple Payの「エクスプレスモード」が全面解禁。iPhoneの画面を立ち上げることなく、スリープ状態のまま改札にタッチして進める快適な環境がようやく完成。


現時点における注意点
ただし、今回解禁されたのはあくまで「クレジットカードとしてのタッチ決済」。日本のSuicaのように「悠遊カードそのものがiPhoneに入った」わけではないという点。
そのため、現時点において以下のポイントはまだ確証のないグレーゾーン、あるいは制限付き。
- リピーター割引(常客優惠): 従来の物理カードは乗車回数に応じたキャッシュバックがあるが、今回のクレカ決済において同様にならない模様。
- TPASS(定額定期券): 定期券のシステムは依然として悠遊カードの仕組みに依存しているため、現段階ではiPhone(Apple Pay)にTPASSを紐付けることは不可。



短期滞在者はクレカが候補になるけど、在住者は引き続き悠遊カードを使った方がキャッシュバックがあるのでお得になる!
日本は「身内(Suica)が優秀すぎて外の技術(クレカ)を入れるのが遅れた」、台湾は「外の技術(クレカ)を早く入れたが、身内(悠遊カード)のスマホ化に苦戦した」。2026年の今、日台双方の地下鉄で「スマホのクレカでピッとして乗る」という利便性がようやく同じラインに並んだ格好。さて今後はどう発展するのでしょうか?



